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【レビュー】思考の整理学-「不幸な逆説」

投稿日:2015年12月24日 更新日:

東大、京大生を始めとした多くの大学生に読まれている「思考の整理学」の概要と感想シリーズ第2弾。

 「不幸な逆説」概要

学校がグライダー訓練所になってしまったのは仕方ないかもしれない。

子どもはまだ勉強をどうすればよいか最初から知っているわけではないし、そもそも制度として勉強をさせる環境ができてしまっているからだ。

そうして、勉強とは教える人がいて、読む本があるのが当たり前となる。

受け身だ。

けれど、教育は学校だけで行われてきたわけではなかった。

道場や塾がそれだ。そこでは、すぐに教えようとしない。敢えてじらす。

師匠の教えようとしないものを奪い取ろうとする弟子はいつの間にか自分で新しい知識を身につける。

それは「グライダー」から「飛行機」に転換させる知恵なのだ。

学校が積極的に教えようとするほど、学習者を受け身にする。

本当の教育とは言えない。

それなのに、グライダーがもてはやされる。

知る活動は国語などの読む学習、考える活動は数学と思われがちだが、それは違う。

なぜなら、そもそもの問題は誰かに与えられたものだからだ。

ギリシャ人がかつて素晴らしい文化を築くことができたのは、彼らに優れた問題作成能力があったからだ。

つまり、「なぜ」を問うことができたからである。

まだ、本当の創造の方法は考えられていない。

「不幸な逆説」感想

著者が考える「本当の教育」とは、「グライダー」ではなく「飛行機」となる力を身につけさせることです。

1986年に書かれたこの本なわけですが、今の現状もたいして変わらないように思えます。

相変わらず、生徒が行う学習は「受け身」のままです。

下手すると当時より、悪化しているのではないでしょうか?

ただ与えられる過剰な教育。それを加速させる受験勉強。

拡大する消費としての学習、塾。

誰かの「答え」ばかりが溢れています。

では、どうすれば「本当の教育」は創造できるのでしょうか?

そもそもなぜその「理想の教育」は実現されないんでしょうか?

先日、タイで日本語指導のお手伝いをしてきました。

そこにはいろんな生徒がいて、それぞれの生徒にあった学習があると肌で実感してきました。

もちろん、それぞれの生徒に合った方法をできればよいのですが、それには明らかに人が足りません。

一人ひとりに費やせる十分な時間がないのです。

ですが、それには隠れた前提があるような気がします。

教える「べき」ことがあるという前提です。

子どもには知識がない。

知識がなければいけない。

社会のために。

だから、教える。

ですが、やっぱりそれは根本的にはおかしく思えます。

誰のためを突き詰めれば、自分のためのはずです。

そして、それはそれぞれの人生において「幸せ」になるためのはずです。

そのために「やりたいこと」を知る必要が出てくるのではないでしょうか?

そして、本来考えるべきものはこうしたもののはずなのに、それらは社会的な要請のためにもみ消されているのでは…?

ですから、おそらく本当の創造の方法とは二つ考えられる気がします。

まず社会的な制度を変えることと、そして生徒の意識を変えること。

どちらも連関していますし、それゆえにどちらも欠かせないことかと。

なんだか曖昧で漠然とした文章になってしまいました…

ただ、制度だけが悪いのでも生徒だけが悪いのでもないと思うのです。

具体的にどうすればいいのか考えて行動している方たちもいるみたいです。

教育哲学者の苫野一徳という方です。

こちらのシリーズでいろいろと語られています。

「×(かける)哲学」プロジェクト:: 【対談】竹田青嗣×苫野一徳②〜「自由の相互承認」という原理〜

「×(かける)哲学」プロジェクト:: 【対談】竹田青嗣×苫野一徳⑥〜どうすれば自由に生きられるのか?〜

ここで話される「自由の相互承認」の考え方はこの記事内で詳しく言及されていません。以下の本で詳しく語られているそうです。

自分自身が「飛行機」となって創造的な活動をしていくためにも、まだまだ知りたいことがたくさんあるなと思いました。

そして、少しでも「不幸な逆説」を乗り越えていく力になれればいいなと思います。

そのための助けに少しでもこのブログが貢献できればうれしいなと思います。

ブログ管理人
としちる

ミスチルと青い鳥が好き。大学生活前半は冊子制作に打ち込むも紆余曲折あって研究者を目指すことに。夢はアカデミーを作ること。研究の狭き道でも生きていくこととやりたいことを両立させるために、サイト運営やライティング、Webデザインといったメディア系スキル・ビジネスのイロハも学んでる。つれづれ“ちる”ままに、時に激しく主にダラダラがモットー。

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