論文の入手先
この論文は大阪大学の博士論文で柳田亨吾さんがお書きになった論文だ。 言語文化研究科に属している方のようでたまたまインターネットで検索していたら見つけた。 こちらのリンク先からPDFはダウンロードできる↓ [sanko href="http://ir.library.osaka-u.ac.jp/dspace/handle/11094/53885" title="ポライトネスの政治、政治のポライトネス : 談話的アプローチからみた利害/関心の批判的分析" site="大阪大学リポジトリ" target="_blank"] まだ理論的な部分しか読んでいないのだが、とても興味深く面白かったので簡単に紹介と感想等を書いておきたいと思う。論文の概要
理論的な部分の目次はこのようになっている。目次1. はじめに
1.1. 本研究の意義と目的
1.2. 本論の構成
2. ポライトネス研究
2.1. 伝統的なポライトネス研究
2.2. Gino Eelenのポライトネス研究・理論批判
2.2.1. 一次的ポライトネス、二次的ポライトネス
2.2.2. 概念上のバイアス
2.3. 談話的アプローチ
2.3.1. Relational Work
2.3.2. ジェンダー・ステレオタイプとポライトネス
3. ポライトネス研究を超えて
3.1. 批判的談話分析
3.1.1. Norman Faircloughの視点
3.1.2. Teun A. van Dijkの視点
3.2. オーディエンス研究
3.2.1. Studart Hallの視点
3.3. まとめ
政治の場におけるポライトネスに注目し、前半ではこれまでのポライトネス研究を振り返るとともにGino Eelen(2001)によるその批判的な考察に、批判的談話分析(CDA)においてはどのように接点があるかをFaircloughとvan Dijkの研究を取り上げ、CDAが主に援用するHallidayの選択体系機能言語学でもそれらポライトネス研究が談話を社会的実践と捉えるCDAにおいても、ポライトネス研究の新たな側面である発信者だけではなく受信者がどのような前提や文脈をもとにコミュニケーションがなされているかをより精密に分析すべきということが同様に当てはまるといったことを述べ、カルチュアル・スタディーズの知見であるStuart Hallのオーディエンス研究を参照し、CDAが抱える恣意的な読みを超克しようということが全体で述べられていた。