書籍:『アクティブ・インタビュー 相互行為としての社会調査』を読み終えての感想

基本データ 共著:James A. Holstein、Jaber F.Gubrium 訳者:山田富秋。兼子一、倉石一郎、矢原隆行 出版:せりか書房 発行年:2004年10月25日 原著名:The Active Interview 原著発行年:1995年4月20日 目次 日本語版へのまえがき 1 はじめに 2 アクティブ・インタビューを遠近法的に考える 回答者の背後にイメージされた対象者 サーベイ・インタビュー(量的調査におけるインタビュー) 創造的インタビュー法 アクティブという視点 解釈実践としてのアクティブ・インタビュー 3 回答者の適性の割り当てと回答者の選択 社会調査における適性の割り当て アクティブな回答者を選択する際のガイドライン 経験の語り手 4 語りのリソース 情報のストックを構築すること 立場の変化とリソースの活性化 5 アクティブなインタビュー 語りの産出を活性化する 回答の誘発とナラティブの優先 語りを条件づける 背景知の利用 物語の案内と制約 6 インタビュー内部での意味構築 インタビュー形式と意味構成の可視化 語りに固有のコード化 意味の地平 共同的な構築 7 多声成と多元的回答者 配偶者を伴ったインタビュー グループ・インタビュー 8 インタビュー手続きの再考 トピックの選択 標本選択 アクティブ・インタビューの実践 データ収集 分析とプレゼンテーション 訳者あとがき

読後の感想

アクティブ・インタビューの概要を知る初めの一冊としてはいいかもしれないが、「さぁ、これからアクティブ・インタビューの方法を用いた調査をしてみよう!」と思う初学者というか研究者の卵にとっては方法論が明示されているわけでもなく中途半端だなというのが読後の感想。 調査対象者は従来のインタビュー法では単なる「回答の容器」としてしか認識されなかったものが、アクティブ・インタビューでは「アクティブな回答者」としてインタビューアーと共同で物語を作っていくことがこれでもかと何度も強調される。 だが、読み続けていてもどこまでも具体的にどうやってアクティブ・インタビューをなしていくかという方法論についてはほとんど触れられず、概念的・理論的な説明ばかりだった。 これまでアクティブ・インタビューとしてなされなかったインタビューの事例も多数取り上げつつ、実際にインタビュー調査というのはアクティブ・インタビューにならざるをえないといった部分は、従来のインタビュー調査に対するアンチテーゼとしては価値ある一冊なのだろうなというのは伝わった。 ただ、インタビュー調査法の書籍を初めて読んだ者としては従来のインタビューがどのようなものだったのかがハッキリと分かっているわけではなくモヤモヤしながら読書となってやや退屈だった。 自分自身の不勉強もあるが、もうちょっと対比的に、体系的な記述があるとより理解もしやすく実践的に繋げられたかなと思う。 ただ、それは本の役割が違うというだけでしょうがないかな… また、何か役立ちそうな本があれば読んでみたいと思う。]]>