あれは小学校2年生の頃。
僕が竹馬に乗れず、みんなの遊びについていけなかったためになわとびを休み時間に永遠と飛び続けていた頃でもある。
とある午後の昼下がり。その日も僕はなわとびで空中を切る遊びに夢中になっていた。
そう。
一人で!!!
一度何かにはまるとまだ立ち止まることの大切さを知らなかった僕は給食後にも関わらずストイックにただ地球を何度も離陸してはその無上の喜びに一人打ち震えていた*1。
そんな時である。
僕だけの滑走路に何かが紛れ込んできたのは。
「誰だ!僕だけの時間を邪魔するやつは!?」
そこに現れたのはまさかの未知の物体、略して「UFO(Unidentified Flying Object)」!
…
は僕だった!!!
いやいや、そうではなく「UVC(Unexpected Valentine Chocolate)」だったのである。
僕は戸惑った。
なぜなら僕には当時、意中の女の子がいたからである。
しかもその女の子はいつも仲良しの3人組でいたのだが、「UVC」を渡そうとしてくれた子はそのうちの一人だったのである。
しかもなぜかその3人で僕の離陸飛行ポイントまでやってきたのだ。
「どうする。どうする僕。僕に残されたLIFEカードは3つッ!
①少し屈辱的だが大人しくもらう。
②道徳の授業で習った正直さを大切にし、思い切って本音を世界の中心に向かって叫ぶ。
③Run Away
…
Run Forest Run!!
これだッ!!!」
僕はまだどのLIFEカードを選んでも僕が報われる道はないということを知らなかった。
しかし、当時の僕は後先を考えずに暴れまわることを生業にしていた。
つまり、保健室を行きつけのクラブとして利用していたのである。
そう、日々の飛行訓練と走り込みにより体力と走力には自信があった。
僕は走ったー走ったー生まれて初めてのー優しさがー切なさをーまだ受け止められなくてー
どれだけ逃げたってー変わり者はついてきたーOh Yeah oh oh Oh!
by Tiru is Chicken
滑走路を断たれ、ついに離陸することは叶わなかった。
その時である。
「人の夢と書いて『儚い』と読むことを知ったのは。」
↑何かを悟る僕のイメージ図
ちなみに僕は4年後にその意中の子と両想いらしいことが分かるがたかが小学生の頃になんだそんなことという感じに思うかもしれないが、第三者・第四者が現れよく分からないが三角関係でもないけどとにかく昼ドラのような経験を味わうのである。
一重に逃げた報いだったのではないかと時々思い返す。
だが不思議なことにその失恋をきっかけに読書に耽り、サッカーに熱中し、受験前に哲学に耽るようにもなっていくのである。
思い返すと僕の人生はこうして大きく舵取りが変わっていっていたのだった。
そして今も「愛」とはいったいなんなのかとふと物思いに耽ってしまうのである。
僕もForestのように悟りを開けるのだろうか。
世の中いつ何が自分のためになるかなんて誰も分かりはしない。
もしかしたら既にあなたにとってのレールが敷かれているのかもしれない。
そう、きっとまた僕のも。
おしまい。
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*1:ストイックな追い込みはのちに僕が市のチャンピオンとして2連覇する布石でもあった