教養系ラジオStudy Talk vol.7「つくばではなぜ研究者のつながりが生み出せないか?」を更新!

Share Studyで教養系ラジオStudy Talk vol.7を更新!毎月第二土曜に更新することを目標にしつつ、今回、二ヶ月ぶりの更新。ゲストは、茨城県つくば市のつくば駅前にあるコワーキングスペース『up Tsukuba』のコミュニティマネージャーとしてお仕事する江本珠理さん。

参考 教養系ラジオStudy Talk vol.7「つくばではなぜ研究者のつながりが生み出せないか?」Share Study

珠理さんはもともとゲストハウスを運営したり、東京のコワーキングスペースにいたところから、昨年つくばにやってきた人だ。つまり、「つくば」にとっては外部からやってきた「他者」ということになる。普段、自分が接する人とは異なる視点を持っていて、会うたびにいつも考えていることや驚いたことを話してくれる。僕も気兼ねなく考えていることを話せるので話すのがとても楽な人だ。もっとこういう「サラッ」とした人が増えて欲しいなと思う。どうでもいいけど、日本人的な?ヌメっとした関係性は基本的に嫌いだ。さらさらとしつつも、根っこを持って柔軟に生きている人ともっと友達になっていきたい。

今回のラジオはそんな「友達」がキーワードとしてあがっている。いつも僕らがするような会話のテンションで、今まで一番「ラジオっぽい」トークができた気がする。内容としても、この一年間、考えてきたことのエッセンスがちょうどいい塩梅で詰まっている。なので、思い入れに残るラジオになりそう。もっとこういう属人的なんだけど、その人が持っている味があぶり出されるようなラジオを取りたい。

「友達」ということばへの忌避感

正直、僕は「友達」ということばを人生の中で積極的に使ってこなかった。なんというか、素直にむずがゆいのである。というのも、友達というのは基本的に儚い。小学生のころ仲良かったはずのあの子も少しクラスが変わっただけで、どこか遠い存在になってしまうことがなんとなく悲しかった。今なら再会したときに「よー!元気だったー?!」なんて声をかけたいと思うのだが…

もう一つ、「友達」にネガティブなイメージを持っていたのは「友達」という傘で他者に対して土足で身体・精神を汚していく人に嫌悪感を抱き続けてきたからだ。僕がへらへらしているのを見て「調子に乗ってバカにしてくる」ことを平気でなすタイプに「友達」が化けるのを何度も見てきた。

こうした感覚を身につけていく中で「友達」ということばよりも、「個人」として接することを心がけるようになった。「個人」にこだわるのは政治哲学でいう「公共性」めいたことを思考の根っこに持ち続けてきたことも関係がある。

けど、こうした忌避感はある程度、自分の経験からくるバイアスが絡んでいる。一概に「友達」というものがいつもいつも何か「悪い」ことになるわけではない。

最近になってようやくニュートラルにこの「友達」というものを受け入れられるようになった。それは部分的に珠理さんが「友達」として呼びかけてくれたからである。珠理さんはとにかく人に「呼びかける」のが上手である。「ねねねね」「あのさあのさ」と軽やかにことばを投げかけられる。

これは今まで見てきた中で誰よりも上手な気がする。珠理さんいわく、会っても「あいさつ」せずに「名前」を呼ぶらしい。あいさつというのは一種の日常儀礼で慣習化されたものだ。だから、そんな慣習をすっ飛ばして直接「あなた」に呼びかけるのは大なり小なり心理的な効果があるのだろうなーと思う。

「リストから研究者を選ばない」

今回のラジオでいくつか印象に残っていることばがある。「紙と紙をくっつけるのは『のり』だが、それは使ってしまうと消えてしまう」だとか、「リストから『友達』を選ばないでしょう」とか。いや、ほんとその通りだよなって思ってめっちゃ笑ってしまった。

研究者の「リスト化」だったり、研究者の「(異分野・学祭)交流」は確かに試みられてきたけど、研究者が「友達」になる「場作り」というのはほとんどなかったんじゃないかなと思う。大学院に入学し、今は専攻事務で勤務して改めて思うけど、研究者コミュニティも立派な社会(世間を知らないと言われることもあるけど)で、ラジオでも言及があったように研究者にも比較的純粋な「研究者」と権威をまとう「政治家」がいる。正直、「息が詰まる空間」だなと思うことがある。ここにはもう少し、外からの風を通して、もっと純粋な知的好奇心だったり、それに限らずの「楽しい」という気持ちを発揮できる環境になればいいのになと思う。

こうしたことはあまり言語化されてこなかったということをラジオでしゃべった。これまでは自分が珠理さんのような「外部」だったのだが、今はすっかり「内部」の何かに染まってしまった気がする。このままだとますますその傾向が強まりそうなので、もっと「相対化」するためにも外に飛び出して行きたいなーと改めて思った。

しかし、とにかくお金がない。ほんとこの1年間くらいずっと。これにもめんどくさいさまざまな理由があるのだが…兎にも角にも、最近は良い感じで身辺整理ができてきたので、今回のラジオはある意味ではそんな追い風の一つになった。

珠理さんがラジオで話す「最近驚いたこと」に「I」だけでなく「You」と「We」が大事だと気づいたという話があがっている。それは僕も似たような気づきをちょうど得たところから考えていたことだった。個人的には「半友達」みたいな塩梅な人といい距離感で付き合えるようになっていきたい。というわけで、もっと自分ができることを「You」へと繋いでいくぞ。終わり!