音楽とは、知恵よりも哲学よりも、さらに高度な啓示である。
この言葉はかの有名なベートーヴェンの言葉だそうです。
思うに人間が最終的に辿り着くのは芸術を求めることなんじゃないか。
そんな風に思ってしまうことがあります。
人間は何をどこまで求めるのか?
どこまでいけば満足するのか?
革新をへた末に辿り着いた先に人間は何をするのか?
僕らには何が残されるのでしょうか?
人、動物、ことば、機械、自然、理想、正義、自由、夢。
この世に渦巻く情報の荒波の中でさまよう中で何を信じて進めば良いのか?
たとえ真に平等な世界になろうとその平等は僕らに答えを与えてはくれない。
たとえ真に自由な翼を手に入れようとまたその自由が自由を奪う。
利便を追求した先に最後に手に入れようとするものはなんなのか?
つまり、最後には何が残るのか?
思考だけでもなく、身体だけでなく、その両者を織り交ぜたものは芸術なんじゃなかろうか?
時折、そう思ってしまいます。
そして、芸術に答えはおそらくありません。
芸術ってなんだ?
以前、「芸術とは何か?」とその道の教授に伺った時こんなことを話してくれました。
「『芸』とは心に『美』という草を植えることだよ」
ここでいう「美」とは「生命力」のことです。
また、「芸」という漢字も「人がしゃがんで木を植える姿」を元にした漢字でもあります。
つまり、芸術とは「美によって生み出された感動を人に植える」ことだとも言えます。
平和の先には何がある?
「平和」の先には何があるのか?
僕はそれは「芸術」なんじゃないかと思って仕方ありません。
それはただ単に作品のみを指すのではなくその人の「生」そのものすべてを抱合するものです。
その人の生き様がそのまま「芸術」なのです。
僕はそんな風にありたい。そんな「生命力」あふれる人生を送れているのならいつ死んだって構いやしないとさえ思う。
人生は何が起こるか分かりませんからね。
ともすれば人間一人ひとりが異なる存在としてあるだけで、それはそれで美しいものなのかもしれません。
常識として語り継がれているような道徳・倫理・規範も突き詰めれば社会や文化といった何か大きなものによって生み出されたものだとも言えてしまいます。
- 作者: ダニエル・L・エヴェレット,屋代通子
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だとすれば僕はそんなどうしても完璧になりえない「人間」そのものに賛辞を送りたい。
それは言うなれば「人間賛歌」です。
そんな賛歌を僕は僕の人生をかけて表現していきたい。
この醜くも美しい世界で。
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