大学都市のつくられ方──つくば研究学園都市とルーヴァン・ラ・ヌーヴ

 ベルギーの「ルーヴァン・ラ・ヌーヴ」という大学都市を調べていて、めちゃくちゃ面白かった。

 1960年代、ルーヴェン大学で「オランダ語話者 vs フランス語話者」の言語対立が激化し、大学そのものが分裂。フランス語系の人たちが移転し、農地からゼロからつくった街が「新しいルーヴァン」=ルーヴァン・ラ・ヌーヴ(通称、LLN)。

 つまり、言語の対立が、新しい都市を生んだ。

 この話だけでも言語人類学徒としてゾクゾクしてしまうのだけど、さらに面白いのが、同じ「人工的につくられた大学都市」であるつくば研究学園都市との対照性。

 つくばが国家主導で「隔離と管理」の方向に都市をつくったのに対して、ルーヴァン・ラ・ヌーヴは、大学と街、市民と学生、研究と商業を「混ぜる」方向に進んだ。

 しかも、街の中心部は巨大な人工地盤の上にあり、上は歩行者空間、下には道路・駐車場・鉄道・物流網。大学や商店、住宅や広場が立体的に混ざり合っている。

 筑波大周辺の、広域に平面的なゾーニングが広がる都市構造とは、かなり対照的でめちゃ興味深い(なんならLLNの方が好みw)。

 さらに興味を引くのが、このルーヴァン・ラ・ヌーヴが、いま欧州で議論されている「第四世代型大学(4GU)」の先駆的モデルとして評価されているみたいなんですよね。

 大学が街から切り離された施設ではなく、街そのものが人と知を混ぜ合わせる「場」になっている象徴事例がこのLLNと知り、大興奮。

 市と大学が共同運営会社をつくり、土地の管理から都市計画・運営まで一体で担ったからこそできた、かなり特殊な事例ではあるらしい。

 それでも、「これ」だよなぁ、という感じがする。それにしても、学園闘争の歴史はこんな形でつながっているのかー、向こうも向こうで一朝一夕にうまくいってきた話ではないのは間違いないんだろうけど、こういう話に無責任にワクワクしてしまう。

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