Discourse Lab
読む、考える、あそぶ。

プロジェクト化のすすめ──仮説とスケジュールで「終わり」を定める

 前回の記事、「書いて考えを磨く、とにかく書くべし」で、曖昧な思考にピントを合わせて輪郭を与える書く行為について語りました。しかし、ここで大きな落とし穴があります。それは「読む」も「書く」も、やろうと思えば無限にできてしまうということです。

 だからこそ、第3のフェーズ「つくる(プロジェクト化)」がとても重要になります。

「よし」とするのは、ただの決めの問題

 ぼくは研究・批評活動や、株式会社ロフトワークでのビジネス実践の現場などを行き来してきた経験のなかで、仮説とスケジュールをはっきりと定めていない人が多いなと感じています。プロジェクト化の最大の目的は、ズバリ「終わりをデザインすること」です。

 完璧な状態なんて、基本的にありません。自分自身の現状や、置かれている環境・条件のなかで、「よし、今回はこれでいく!」と区切りをつける。つまり、スケジューリングと仮説設定は、能力の問題ではなく、まずは「決めの問題」なんです。これが「読む」と「書く」の無限ループから抜け出し、前に進み続けるためのとっても重要な秘訣です。

なにをやらないかを決める「7:3の法則」

 プロジェクト化と聞くと、やることや目標、ビジョン、アウトカム(成果)を思い描く作業をイメージするかもしれません。もちろんそれも大事ですが、ぼくはそれ以上に「なにをやらないかを決めること」の方が重要だと思っています。

 なぜなら人間のリソースは有限です。新しいプロジェクト(つくること)を始めるなら、今の生活やタスクの現状を冷静に把握し、新しい挑戦をするならば、日常のルーティンや既存の業務を最適化・断捨離する必要があります。

 イメージとしては、これまでの作業を7割くらいの力で捌けるように調整するのがいいのかもしれません(最近、そう学びました)。そして、そこで意図的に生み出した3割の余白とエネルギーを、新しい挑戦にしっかり投資するんです。そうです、これは投資です。やらないことを決めるからこそ、ぼくたちは新しい「つくる」に没頭できます。

現在地に楔(くさび)を打つ

 そうやってスケジュールを引き、3割のエネルギーを注ぎ込んで、自分にとっての終わりをデザインする。そして、できたものをひとつの作品として思い切って世に出してみましょう。

 世に出すときは、いつだって「もっと読めたかも」「もっとうまく書けたかも」という後悔や恥ずかしさがつきまといます。でも、それでいいんです。仮説とスケジュールで強引にでも区切りをつけ、今の自分のベストとして世に放つことで、初めて自分の立ち位置に「ドンッ」と楔(くさび)を打つことができます。

 楔を打てば、それが歴史となり、同時に新たなスタートラインのサインとなります。そこからまた、新しいテキストの海へダイブを始めればいいんです。

 さあ、あなただからこそ気がついた仮説を練り上げて、思い立ったらスケジュールを引きましょう! やっているうちに、モヤモヤも晴れてくるってもんです。