ことば、メディア、思想文化
ディスコースを中心とした知見や考察の雑録をまとめています。
ことはじめ
キーワード
Tips
複数の入門書や新書などの書籍を読み比べ、だいたいどんな議論や考え方をしているのかを把握する。
「守破離」を意識するのが大事。まずは「守」として、形式的にでも基礎的な知識や思考を学び、発表・執筆で重視される形式的な技法を意識する。自分の興味関心に限らず、専門外の知見を広め、考えておくと後々に役立つ。
自分の興味関心から考えるのも大事だが、いきなり自分の主義主張をせず、具体的な事例から自分が抱いた問いや違和感を説明できるようにする。
わからないことは、失礼のないようにちゃんと考えた上でわかっていそうな人に聞く。参考になる文献や事例を教えてもらい、考え方の相違を知ることも自分の位置づけを捉えることにつながる。
いきなりピンポイントで「面白い」「意義のある」事例に出会うことは難しい。関連しそうな資料をひたすら漁ったり、現地に赴いての観察を繰り返す。
学術的な文献を読みこなしていくには、学問分野や研究者の中心的な考え方となるキーワードをおさえるのが肝。
自分で一から考えるのはかなり大変。徒手空拳で挑むのもいいが、まずはこれまでの事例をしっかり読むことを意識する。自分の実力の範囲内でもマネすることができそうな事例を見つけると最初は楽。これも「守」。
締め切りを見据え、できるところからやる。できないことを無理にやろうとしすぎない。なお、「できない」ことがわかることも「できる」ことを知ること。
頭で考えようとしすぎず、ときに淡々とデータと向き合う。雑でもいいので早めにデータを分析し、人に説明し、議論から分析の穴を見つけ、別の研究の糸口を探すなど視野を広げる。
慣れてきたらまとまった知識や論考は専門書から学び、考えることも大切。学部生のうちで、同じジャンルで少なくとも3, 4冊は読み込むものが複数出てくると思考が磨かれる。
古典を読むことは先人が生きた歴史・社会文化や知恵を知ることにもつながる。特に研究者志望で院進学する人は余裕があるうちに、少し背伸びしてでも自分の引き出しを広げるように読み進めるべし。
研究を進める上では自分が「面白い!」と思えるものに取り組むのも大事。けど、同じくらい、自分に限らず他者にとっても「意義がある!」と思わせる、いわば普遍性のある議論を見出そうとすることも大切。
メディア出演
2023/06/29「『ロシアの辺境』、ジョージア文学の闘い方──文学研究のミライ」【学問のミライ#3】(五月女颯 聞き手=青山俊之)
ゲンロン・カフェ開業10周年を記念して誕生した、若手研究者を応援する新シリーズ「学問のミライ」第3弾! 今回のゲストは、ジョージア近代文学と批評理論(特に環境批評)がご専門の五月女颯さん。イベントの前半では、ジョージアの文化・言語・地政についてご紹介し、後半では、五月女さんの著書『ジョージア近代文学のポストコロニアル・環境批評』(成文社、2023年)を題材に、文学研究のミライについてお聞きします。
2023/03/26「人間とはなにか──遊びから考えるヒトと動物の社会性」【ゲンロン・セミナー 第1期 1000分で「遊び」学 #2】(山本真也 聞き手=青山俊之)

ゲンロンカフェ10周年を記念した新時代の教養講座「ゲンロン・セミナー」。第1期「1000分で「遊び」学」をテーマとした第2回目の講義は、比較認知科学とフィールドワークを駆使して動物を研究する山本真也先生をお呼びしました。山本先生が挑む究極の問い、「人間とはなにか」。進化の隣人であるチンパンジーとボノボ、社会の隣人であるイヌとウマを研究する山本先生は、どのように古くて新しい問いとして「ヒト」を探究するのか。アーカイブ配信は2024年3月26日までです。
2023/01/25「ゲンロンで働く大学院生で『思想』と『現代思想』を読んでみた」【学問のミライ#0】(青山俊之×植田将暉×國安孝具×住本賢一×栁田詩織)
ゲンロン編集部でじっさいに雑誌編集にも携わっている5人の大学院生のひとりとして出演しました。2022年に出版された『思想』と『現代思想』をふりかえりながら、雑誌や思想、学問を取り巻くさまざまな話題を、ゆるく語り合います。