サイトを整えた理由──博論、仕事、エゴ

 今月はこのサイトを粛々と整理した。理由1:博論の構成を変えるために読書をしながら思考を整えていた。ポジティブにいうと、よりよい論述のために博論から距離を取っていた。ネガティブにいうと、自分の文章に対してと他者の応答のあり方に少し嫌気がさした。後者は簡単には変えられないけど、前者の自分は少しは変えられる。これがぼく流の自己責任の原型だ(ブログ開設当初に書いた記事をリライトしてそう思った)。

 理由2:中途半端だった過去記事、サイト構成を整えたくなった。長年、サイトを運営していると考え方も変わる。それも含めて考えた軌跡を残してきた。一方、このサイトはただ情報発信するブログというよりも、青山俊之という固有名として業績や考え方が最低限、まとまっているものにしたかった。

 理由3:言語人類学やディスコース研究を学ぶこれからの学生にとって学修と研究を後押し、ないし補助するものを整えたかった。これは半分は自分なりの恩返し。もう半分はエゴ。研究は基本的に自分で考えるものだし、そんな情報を残さなくてもやるやつは勝手にやる。いろいろ経験してきたがそういうもんだと思う。また自分の考え方も変わるし、研究も発展する。だから無理に情報を残す必要はないし、むしろ議論をキャッチアップできなければデメリットも多い。けど、ぼくはネットに散らばった情報から多くを学んだ。なんだか最低限の恩返しをしたくなってしまうんだよねぇ。いいこと風に語ってるけど、これはエゴです。

 理由4:簡単な分析・考察を記事化できるようにしたかった。ぼくが主に学んできた言語人類学の知識情報はあまりにネットにない。日本の学術界にもほとんど知られていない。それなりにきちんと言及しようとすると、補う必要のあるコンテクストが多くなる。だから最低限、中心的なキーワードを記事化してきた。ディスコース詩的機能オリゴ言語イデオロギー類像性・指標性・象徴性などがそれにあたる。これらの概念に対して、批判的に考え直している点もあるけど、それを言及するためにも一度書いておくことにした。今後はできれば科博クラファン騒動のような出来事とか、雑談について言及する比率をあげたい。

 記事だけではなく、①新着記事雑記記事の一覧の閲覧、②カテゴリーとタグで雑記記事(カスタム投稿という)も取得、③Discourse Studiesの特設ページで入門記事やキーワード記事を一覧化、④Discourse Studiesのサイドメニューにシリーズ記事(例:雑談の力学)を追加など整理、⑤サイトカラーをモノクロからネイビー/ダークブルー基調に変更、⑥サイト概要ページなど固定記事を更新、など全般的に手を入れた。かなりサイトが見やすくなったと思う。

 いろいろ整えたけど、肝心の研究テーマである自己責任とか日本研究とか、言語人類学についてあまり書いていない。ゲンロンで働きながら学んでいることもあまり書けていない。

 情報発信のメインはTwitter(X)だといまは思っているけど、つい最近まではこのサイトだった。もう少しTwitter型の語りを磨いて、フローはそちら、ストックはこちらというスタイルで運用しようかと思ってる。このサイトでは、最近の記事は情報量も中身もそこそこあると思うので、ぜひ読んでみてほしい。記事ではぼくが仕事としてなにをやろうとしているか、それにどういう意味があるのか、そういうメタメッセージをもう少し打ち出していければと思ってます。ではでは~。

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